2016 SUPER GT Special Report

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【菅生】後半を任された山田選手が後続車の猛追をかわす。

昨年は表彰台まであと1歩のところでピットロードの渋滞に巻き込まれて、悔しい結果だった菅生。MC86向きのコースなので今年こそはと期待がかかるレースだ。

予選Q1は山田選手。コースレコードを出したが、それでも9位。この日はみんな速かったのだ。Q2の中山選手もコースレコードで4位!

決勝の日曜日は、朝から雨がパラつき微妙な天候だったが、午後には雨は上がりスリックタイヤでスタートした。スタートドライバーは中山選手。前半は無理をせず順位をほぼキープする走りの後、5位で34周目にピットイン。この時は給油と左タイヤだけ交換して、山田選手に交替しピットアウト。ストップ時間が短かったので前車とのギャップが多少詰まり追い上げ態勢に。この後、順調に走り54周目には3位を走っていた。異変が起きたのは66周目、最終コーナーでスピンし8番手に下がる。さらに71周目には同じコーナーでスピンしてコースアウト、バリヤーにクラッシュして終わった。この事故でレースは赤旗中断になり、結果として70ラップでレース終了、18号車は8位で第4戦を終えた。

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【菅生】ピットインでドライバー交代。下りたドライバーも手伝う。

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【菅生】中山選手のバースディのお祝い、お約束の顔面ケーキ!

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【富士】スタート直後に集団に飲み込まれる。

前戦の菅生からわずか2週間後に開催の富士の第5戦。派手に壊れたマシンだったが、パーツ入手も困難の中、メカニック達の懸命の努力で何とか間に合い走れることになった。

練習走行では様子を見ながらセットアップを調整する作業を繰り返していく。そして山田選手のドライブで予選Q1が始まった。山田選手は4周目に練習走行よりも速い1’39.444を記録。さらにタイムを短縮しようとしたところで赤旗中断。22位でQ1が終了した。

翌日曜日の決勝は山田選手が初めてのスタートドライバーを務めたが、スタート直後のせめぎ合いで27位に後退。しかしここから巻き返し12周目には19位まで上昇。この位置を保ち23周目にピットイン、中山選手と交替する。この時は給油だけでタイヤは交換せずに21番手で復帰した。「22番スタートからポイントを取りに行くなら思い切った手を打たないとね」(石田監督)と、勝負に出たのだ。

ここからは中山選手が猛烈にプッシュし、35周目には8位までアップ。なんと13台抜き!その後はタイヤに苦しみながらもなんとか耐え、最終的に10位でゴールした。

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【富士】富士のピットにて。わずか2週間で完全に修復した!

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【富士】Q1直後にマシンについてすり合わせ。

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【富士】ドリエンの即売&サイン会。変わらず盛況です。

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【鈴鹿】PPを取ったドライバーはトロフィー授与と記者会見がある。

鈴鹿ではマシンの感触がよかった。過去のテストデータに基づくセットアップがいいところに決まり、練習走行ではトップと1秒強の差はついたが4番手に入っている。

予選Q1は今回も山田選手が担当。アタック時に邪魔なく走れるようにタイミングを計ってコースイン。そして4周目に1’58.923を出し3位に。このタイム、実は2位と1000分の1秒まで同じタイム。ただ先に出した方が上位にランクされるため山田選手は3位になっただけで、実質は2位同着なのだ。

これで勢いのついたチームだが、Q2の中山選手も期待に応える走りで、ただ一人1’57.876と57秒台に突入!もちろんコースレコードで1位。つまりはチーム初となるポールポジションを獲得したのだ!

Q2が終了し中山選手がピットに戻ると、TVクルーと各媒体のカメラマンが取材に殺到。「PPを取るとすごいことになるね。こんなに人が集まるんだ!?それで撮り終わったらサッといなくなるんだね(笑)」(石田監督)。それだけ価値のある結果なんですねPPは。

決勝の日曜日は早朝から雨が降ったが昼前には上がっており、18号車はスリックタイヤを選択して中山選手でスタート。

長丁場のレースなので、ここからは義務付けられた5回のピットインをどう消化していくかが、レースの組み立てに大きく影響する。18号車の最初のピットインは28周目。タイヤを交換し給油、ドライバーは山田選手に交替した。この後は58周目、91周目に状況を見ながらピットインをした。ピットイン時のロスタイムで順位は変動した。だが一時的に下がっても、上位に出たマシンがピットインすれば同じことで、18号車は140周あたりまで、ほぼ1位を守り続けていたのだ。

ところがレースも8割以上は進んだ140周台に変動が起こった。逆転を狙いこのタイミングでタイヤ無交換に来たチームもあり予断を許さない展開に。さらに18号車はミッションに不調が出始め無理はできない状況になったのだ。ということで、山田選手も踏ん張ったのだが残り20周を切った終盤にトップを維持できなくなり、最終的に4位でチェッカーを受けた。前回の4位は、いわば望外の4位だった。しかし今回は1位ゴールを目指して4位。同じ順位なのにこうも重さ、悔しさが違うとは…。しかし、間違いなくチームはトップ争いができるところまで来た、という実感が得られたレースだったことも確かなのだ。

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【鈴鹿】Q2で怒涛のアタックをする中山選手。結果唯一の57秒台でPP。

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【鈴鹿】Q2に向かう中山選手(左)とQ1に向かう山田選手(右)。

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【鈴鹿】第2スティントで快調にトップを走る山田選手。

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【鈴鹿】鈴鹿では山田選手のバースディ。この後は想像通りの展開に。

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【鈴鹿】鈴鹿1000kmの6時間が終わると夕闇が迫ってきます。

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【鈴鹿】裏方さんであるメカニックの仕事が評価されると嬉しいですね。

「菅生でマシンがクラッシュしたが、パーツの調達に苦労しながらマシンを仕上げ、今回はPPを獲得。レース中もメカニックはノーミスでピット作業を行い、マシンは4位に入賞した。その功績を称え」られZF Awardを受賞しました。皆さんおめでとうございます!