SUPER GT Report

Photo

開幕戦の岡山は2位!に入る幸先の良いスタート
Evo22へのアップデートが奏功し公式テストから好調を維持した#18のNSX GT3

いよいよ2022年シーズが始まる。昨年は不本意なシーズンを送ったTEAM UPGARAGEの#18だが、今年は違う!マシン自体がEvo22バージョンにアップデートされ、特にリヤサスの変更でコーナーでの挙動が安定しタイムの短縮につながっているという。

事実、公式戦前では最後になる富士スピードウェイでのテストでは、初日のセッション1,2ともにトップタイムだったし、2日目はウエットで3位、午後のドライで2位のタイムを出した。ただ、テストはテストで、各チームは色々なスペックやロングランへの対応などを試すので、必ずしもテストのタイムが実力ではないのが怖いところ。

なお今年のドライバーは小林崇志選手と、新加入の太田格之進選手の二人。太田選手はSUPER GTに今年から参加するバリバリの若手のホープ。どのような走りを見せてくれるのか期待が高まります。

Photo

雨中でも3位と速かった富士のテスト。

Photo

今年初参戦の太田選手。F4やスーパー耐久でも活躍。

16日(土)午後の予選は晴れ。路面温度は33度まで上がり、各チームタイヤ選択に若干悩むところ。TEAM UPGARAGEは、Q1は小林選手が担当する。A、B2グループに分かれ、それぞれ上位8台がQ2に進むのは昨年と同じ。

いよいよAグループが始まった。小林選手はコースに入り慎重にタイヤのウォームアップ。5周目に、午前中の練習走行のタイムを短縮して1‘24.967を出して2位通過!

Q2は太田選手だが、新人とは思えない走りで1‘24.532を記録し、4番手グリッドに決まった。上位には昨年のチャンピオンマシンである#61のBRZなど速い競合がひしめくが、優勝した2018年でもQ2では9位だったので、これほど上位に来たのは初めて。決勝レースが楽しみな展開になった。

Photo

岡山の土曜日、予選時のピット。ほぼ作業が終わり開始を待つ。

Photo

前列右から小林崇志選手、太田格之進選手、後列右から五十嵐望ちゃん、中央はアップちゃん、左は渡辺弓華ちゃん。

Photo

決勝のスタート直後、まだ各車が連なって走る。

決勝レースは17日の午後2時スタート。前日の予選時よりも気温、路面温度ともに上がり、スタート時のタイヤ(予選Q1で履いたタイヤ)がどこまで持つのかが懸念点に。

SCの先導で各車が動き出す。2周のウォームアップの後、シグナルがグリーンに変わるとスタート。一斉に1コーナーめがけなだれ込むが、今回はアクシデントもなくスムーズにスタート。3周目には早くも順位変動があり#56のGT-Rが3位に。#18は23周目に前車をオーバーテイクして3位へ。

28周目に入るとピットインが始まり、#18は31周目にピットへ。ドライバー交代、給油、タイヤ交換とルーチンの作業を行ってコースに復帰。この後、しばらくはピットインが続くので順位は変わっていく。40周を超えるころに、各車のピットインが終わると、なんと#18は2位に浮上!ゴールまで残り約30周を太田選手がひた走る。

ゴールまでに間に、一時期#9に追い上げられ、瞬間的には横に並ぶ位置まで迫られた。が、太田選手はこれをしのぎ2位を守る。トップを走る#56とはタイム差があり、タイヤを考えると無理に追い上げるのは得策ではない状況。以後、ポジションキープに専念し、見事に2位でフィニッシュ!開幕戦でドライバーズポイント15、チームポイント18をゲットした。この調子でいけば、今年はひょっとすると行けるかも。

次はテストでも好調だった富士でのレース。ウエイトが載りますが、好調子を維持して表彰台を目指します。

Photo

ピットイン後の後半、太田選手の初めての実戦。

Photo

スタートグリッドに着き始まりを待つ。

Photo

精神集中してスタートを待つ小林選手。


Photo

大きなトラブルもなく安定したレースができた。去年できなかったレース運び、今年は好調を維持して今日もよかった。欲を言えば優勝したかったけど、2位は今の僕らが望める最大の結果だと思う。チームのみんなが頑張ったからそれができた。良いレースだったと思います。オーバーテイクは、タイヤのことを考えるとワンチャンスしかなくて、それが一発で決められたので良かった。

Photo

表彰台を確信できたのはラスト10周くらい。それまで後ろに#9のフェラーリがいて、くっつかれたり並ばれたりもしたけど、何とかしのいで、一瞬差が開いたのでチャンスと思い一気に行った。最後のほうはミッションにトラブルが出て持つかどうか心配だったけど、ゴールできてよかったです。富士も無理をせずにポイントを取れるように走って、いい流れを続けたいと思っています。


Photo

今日はピットインのタイミングが絶妙でした。コースに戻った時も集団からは外れてフリーで走れたし。前半のタイヤはもう限界でしたが、後半は固めなのでそれほど心配はありませんでした。最後はトップの2台だけ1‘28秒台で走れたし。今日の結果は今シーズンを戦ううえで励みになりますね。

Photo

チャンピオンを目標にしてそこに至る計画を立てたんだけど、岡山は3位の予定だった。ところがそれを上回る2位(笑)。みんなの努力の結果が出たと思う。途中ギアボックスのトラブルが出て心配したけど、何とか最後まで持ってくれた。良かった。ドライバー二人もよい仕事をしたね。特に太田君はデビュー戦とも思えない落ち着いた走りだった。この流れで富士も行きたいと思う。