ライダース カスタムバイク自慢

アップガレージが4輪だけじゃないことは知っているよね。アップガレージには「ライダース」というバイク乗りの強い味方となる専門店がある。そんな専門店に通うオーナー達も紹介しようというのがこのコーナーなのだ。

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乗りっ放しだったとは思えないきれいな仕上がり。黒と黄のコントラストも冴えてます。

ホンダ クロスカブ(2013年~)

  • 全長×全幅×全高=1945×815×1150㎜
  • エンジン=JA10E 空冷4ストロークOHC2バルブ単気筒
  • 排気量=109㏄
  • 最高出力=8ps
  • 最大トルク=0.87kgf₋m
  • 燃料供給=PGM-FI電子式燃料噴射装置
  • ミッション=常時噛合4段

ホンダが1958年に製造販売を開始し、2017年時点で1億台を製造・販売したスーパーカブがルーツ。初代モデルは2013年登場で、スーパーカブとフレームを共有しながらも、カラーリングやフェンダー、大型アップハンドル、丸形ヘッドライトなどで差別化。手軽に乗れるバイクとして人気に。平成28年排気ガス規制に適合させるためフルモデルチェンジを行ったが、この時50㏄モデルを追加したことからクロスカブ110、クロスカブ50の名称になった。現在は2代目モデルが販売されている。

大変きれいな状態に維持されているクロスカブで、アップガレージ横浜町田総本店に来店されたのは柳沢さん。オリジナルの持ち味を生かしつつ、自分流の好みに仕上げたカッコ良さにひかれてお話を伺いました。

柳沢さんがバイクの免許を取ったのは16歳の時。ですが、それ以前からバイクが好きで「物心がついた時、たぶん3歳くらいのころから好きだった記憶がうっすらとあります」。

こういう方を筋金入りというのでしょうか、何しろ「中学生の時には不動車をおこす」ことを始めたというから普通ではないですね。「当時はネットなどないので独学です。解説書を読みあさってエンジンの構造を学ぶとか、中学生のころはそういう本ばかり読んでました(笑)。で、完成すると欲しいという人が出てくるので譲っちゃうんです。一番最初はCB50でした。エンジンを乗せ換えて、外装もすべて自分で塗装して」仕上げたら売ってしまうというので、ご職業もそちら方面かと思いきや「商社マンなんです。バイクいじりは趣味ですから」とおっしゃる。

ただし、ご実家はクルマの修理工場を営んでいるので環境はあったようです。「でも、クルマ専門なのでバイクは1台もなかったのに、僕の関心はなぜかバイクに向かったんですよね。よほど波長が合ったんでしょうね」。これだけ機械いじりが好きなのだが、家業の跡は継がずに会社員に。だから趣味でいじるのが楽しいのかもしれませんね。

このクロスカブは最近レストアが仕上がったばかり。「去年の12月に買ったんですが、自分でいじりやすくてカスタムパーツに困らない車種と考えたらカブ系かなと。で、それを探していたら、たまたまこのバイクを見つけたのでポチっと。2013年式で、そこそこいじってはあったけど、乗りっぱなしでノーメンテの状態。パーツは付いていたけど何もしないで引き渡しという条件で、その分安く買えたと思う」とのこと。

買ったらすぐにレストア開始です。「全面的に分解整備してます。エンジンもバラしてピストン、カムシャフトを交換して、全部を組み立てて完成まで3ヶ月くらいでした。小さいし単気筒だし、複雑な構造じゃないので、週末の作業でできますね。それも必ず毎週やるってことでもないんです。たまには走りにも行きますから」とは、ノウハウもスキルも蓄積されているからこそ。

このバイクでいうと、さらに色々変えていますが「モットーはお金をかけずに楽しむことなので、100均で買ったものも使ってます」。もちろんアップガレージ店もご利用いただいており、「わけありコーナーが好きですね、使い方をいろいろ工夫しながらパーツを探すのが楽しいから。ウェアもそうですよ。ジッパーが壊れて安くなったのを買って直すとか(笑)」。もう期待通りのお答え、ありがとうございます。

柳沢さんのレストアで白眉はコンピュータチューン。「エンジン制御のロムの書き換えも自分でやってます。好みの特性に変えるんですが、書き換え用のソフトがあるので今は自分でできますよ。マッピングの変更ですね」。ここまでやる方はこの企画に初登場!です。

現在、バイクはクロスカブとドゥカティ、さらにVTRの3台を所有しており、「VTRはボロを買ってきてレストア中なんですが、もうじき完成予定で、知り合いから欲しいと話が来ている」とのこと。レストア作業は自宅のガレージで。ご自宅にはリビングの横にガレージがあり、好きなバイクを常に見ていられるそうです。乗り物好きが夢に見るガレージですね。「ガレージには結構お金をかけて、ピットって感じです。徐々に工具をそろえてきたんですが、次は旋盤か溶接機が欲しいなと(笑)。楽しいです、もう生き甲斐ですから(笑)」。本当に、心の底から楽しそうに語っていただきました。

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シートはオリジナルデザインのように馴染んでますが、これも流用品です。

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メーター周辺には小物が多数追加されていますが、意外とスッキリ。ひざ元のボックスは100均で買ったケースを利用したバッテリーボックス。

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スイングアームやマフラーを交換、ホイールもアルミリムに変えている。

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ヘッドの赤い結晶塗装がいかにも‟ホンダ”らしさを出していますが、これもご本人作。