開幕戦の岡山ではエンジン不調に悩まされながらも完走して15位だった。このトラブルの対策も終わり、できる準備をして臨んだ第2戦の富士500kmレース。フリー走行からバランスの良さが感じ取れ、手応えのある走りができていたが、さらなる向上を狙い微調整を重ねた。
富士ではより上位を狙うために予選からこれまでとは違う作戦を取った。つまりはQ1を山田選手が、Q2を中山選手が走るのだ。より良いスタート位置を得るために、Q2をエースドライバー中山選手に託す。ほかの上位チームと同じ作戦なのだ。これは、もちろん岡山での山田選手の走りから、十分にQ1は突破できると踏んでのこと。そして、山田選手は見事に期待に応え、1’37.247の14位でQ1を突破した。この暫定順位について「14番手というのは、ちょっとアレだけど、まあよかった。作戦どおり、予定どおり(笑)」(石田代表)と苦笑い。その後最終リザルトでは13位になった。
山田選手が走り終わった時点では、コース上にはアタックを続けるマシンが残り、本人は「ドキドキしてました。アタック中にオーバーランしたコーナーがあって、あれがなければ36秒台もいけた」と反省しきりだった。
13位でもQ2に進出できれば、後は中山選手の出番だ。「アタックラップは思い切り攻めることができた」という通りコースレコードの1’36.424をマーク。ただ、Q2に進出してくるチームはさすがにどこも速く、他にも6チームがコースレコードを記録した結果、グリッドは7番手になった。
マシンはここまで大きなトラブルは出ず、翌日の決勝に期待のかかる予選結果で1日が終わった。
第2戦富士は500kmと長いため2回のピットストップが義務付けられているが、18号車はスタートドライバーが中山選手、次を山田選手、第3スティントは再び中山選手で走る作戦だ。
決勝の4日も快晴。暑いくらいの日差しの中、レースはスタート。1周目からポジション争いが始まるが、18号車は序盤は無理をせずにポジションをキープする作戦。このため順位は多少変動しつつレースが進み、32周目に5位でピットイン。タイヤ交換及び給油を行い、山田選手と交替する。
山田選手も順調に周回を重ね、ほぼ順位をキープ。ただ、63周目に500クラスのマシンと接触しスピンしてしまう。幸いダメージもなく、すぐにレースに復帰できたが18秒のロスがでた。
その後66周目にはタイヤをバーストさせたマシンのため、セーフティカーが導入された。今季からセーフティカー導入中のピットインは禁止されたので、再開された71周目に各車ピットイン。18号車は再び中山選手に替わり、タイヤ交換と給油を済ませてコースへ。この時は5位でピットアウトしたが、コースに復帰直後、同じタイミングで出た前車を抜き4位にポジションを上げた。
ここからも中山選手はよいペースでラップを重ね1’38.782の自己ベストを記録したが、前車も速く差を詰め切ることができすに4位!でゴール。過去最高の順位で500kmを走り切ったのだ。
この結果に対し「4位といってもトップ争いができないとレースじゃないので…。ただ得意じゃない富士でここまでやれたのは良かった。レベルは上がってきたから、もっと頑張りたい」と語るのは中山選手。
次の菅生は86勢は得意なコース。昨年は想定外の大渋滞で順位を落としたが、今年こそは表彰台だ!
過去最高の4位だけど、やはり悔しいほうが強いね。去年は4位くらいならと思ったけど、実際になってみるともう一つ上に行きたいよね。でも初めてまともなペースでレースできたのは良かった。無線でプッシュ!なんて、以前はそんなシーンはなかったから。
次はハンディを積むけど(8ポイント×2㎏=16㎏)、問題ない。二人に10㎏くらいずつ痩せてもらえばOKでしょ(笑)。
(石田 誠・チーム代表談)
6月18・19日に行われたスーパーGTの公式テストにチームアップガレージも参加。初日はパーツテストとセットアップ、2日目はロングスティントの走りに重点を置いて実施。
1日目には山田選手のスピンもあったがマシンにダメージはなく、2日目の総合では3位のタイムを出して終了した。7月の菅生は乞うご期待!