初めにレース結果をご報告してしまうと、タイ・ブリラムサーキットでの第7戦は、52周でもらい事故のためリタイヤという結末だった。
昨年はマシンの不調に悩まされたタイでのレースだが、今年は練習走行でのマシンの調子も良く、期待の持てる予選を迎えた。Q1は山田選手が担当。直前に雨がパラついたがすぐに上がり、良いコンディションの中コースレコードの1’33.390を出して3位に。ちなみに3位までがコースレコードだった。Q2は中山選手で、こちらもコースレコードの1’32.981で4位に入った。鈴鹿のようにポールポジションを目指してはいたが、レースはその時々の流れがあるので、急変しそうだった天候を考えると、満足ではないものの最善を尽くした結果なのだ。それにこのタイでもQ2では8位のチームまでがコースレコードを出すという熾烈な戦いになっている。どこまで速くなるのか見当もつかないほどに高レベルのレースなのだ。
Q1は山田選手、Q2は中山選手という分担で結果が出ている現状について「山田君もだいぶスーパーGTの走りに慣れてきたので、Q1は任せられるようになってくれた。開幕当初に比べると、そこは成長したね。」(石田監督)との評価。
マシン自体は「もともとポテンシャルは高いクルマ。エンジニアリング的にも勘所をつかんできたし、横浜タイヤとのマッチングが良い」(チーフエンジニア)状態。となると決勝レースに期待をしてしまうのだ。
決勝レースは午後3時スタート。気温35度、路面温度44度の暑さのなか始まった。
スタートドライバーは山田選手。2度目のスタートドライバーだが、今回はスムーズなスタートを切りオープニングラップを4番手で終える。スタート直後に1,2位が逆転し3号車のB‐MAX NDDP GT-Rがトップに立った。18号車はこの後、コースアウトで6番手に順位を落とすが、これをキープしてレースは中盤に。
各車ピットインのタイミングを図っていたが、18号車は21周目に予定通りのピットイン。中山選手に交代しタイヤは無交換でピットアウト。上位グループはこの辺りから続々とピットに入るが、25号車が同じくタイヤ無交換で飛び出しトップに出た。最後に4号車が38周を終えたところでピットイン。すべてのマシンが終了し、この時点での順位が整理されると18号車は2位!に浮上していたのだ。
ここからは前を走る25号車を目指してひたすらプッシュの走り。だが、一方では3番手の3号車に追い上げられてもいた。この2位争いのバトルに不本意な決着をつけたのは500クラスの1号車・MOTUL AUTECH GT-Rだった。
52周目のターン5で18号車と3号車を抜こうとして、18号車のイン側に突っ込んできた。が、それほどスペースの無いところに突っ込んだので18号車と接触、さらに1号車はスピンして後続車を巻き込んでしまった。18号車は何とかピットまで戻れたものの、当てられた左リヤサスにダメージがあり、ここでリタイヤ。完走扱いで22位にはなったが、またもや目の前にあった表彰台が逃げてしまった…。
レースにはつきもののトラブルと諦めるしかないのだが、それにしても残念な結果だった。ただ救いはタイでも速さを実感できたこと。これなら最後に2戦連続で開催されるもてぎに期待が持てるというもの。もてぎのレースは11月12日(土)・13日(日)、ぜひ熱い応援をお願いします。
TEAM UPGARAGE with BANDOHの総監督を務める坂東氏は、GT500クラスで「WedsSport ADVAN RC F」の監督でもあるが、そのウエッズスポーツがポール・トゥ・ウィンで初優勝!
坂東監督、チームの皆さん本当におめでとうございました。