クルマ自分流 カスタム&ドレスアップカー オーナー訪問記

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ベースカラーの黒と、えんじ色よりの赤のコントラストが効いている外観。

スズキ パレット(2008年~2013年)

  • 全長×全幅×全高=3395×1475×1735㎜
  • エンジン=K6A型 水冷直列3気筒DOHC12バルブ
  • 排気量=658㏄
  • 最高出力=54ps
  • 最大トルク=6.4㎏・m
  • ミッション=4AT

2008年発表のスズキのトール型ワゴン。当時、ダイハツのタントが成功して第2世代になっており、それに対抗すべく発売された車種。2400㎜と長いホイールベースや、ボンネット型軽自動車として初の後部両側スライドドアの採用が特徴。後に日産には「ルークス」、マツダには「フレアワゴン」としてOEM供給された。2013年に後継車スペーシアの発表とともに生産終了となった。

燃えるような発色の良い赤のボンネットに、近づくと炎のような模様が揺らめく(ように見える)スズキパレット。オーナーはHiroさんです。お目立ち度がハンパないパレットはどのようにしてできたのか?Hiroさんに話を伺いました。

このパレットは買ってから3年ほど。はじめはほぼノーマルでおとなしく足グルマとして乗っていたのですが、「コロナが流行ってから、仕事が結構休みになることが多くなって。といって家で寝ててもしょうがないので、またクルマいじりでもやろうかと」思ったのがきっかけでした。若いころはノーマルでは乗ったことがない、というほど熱中したHiroさんですが、「一旦はやめたんだけど、時間を持て余したら復活」しちゃったようです。

「ボンネットを最初にやり始めて、この塗装はグラインダータトゥーっていうんだけど、うまくできちゃったら止まらなくなっちゃった(笑)」。ボンネットの加工は、「仕上げの塗装まで含めても完成まで二日間くらい。グラインダーで地金を出して、サンダーで模様を入れて、キャンディ塗装(透ける塗装)をして完成」と、意外に短期間で仕上がるようです。「グラインダーで模様を出すアイデアはショップが始めた方法。でもショップに持ち込むと高いから、このくらいなら自分でできるかなと思ってやってみた」ら、できたんです。続いてリヤも加工。「リヤの模様はオリジナル、自分のアイデア」で塗装してみた。

塗装ができると中身もいじりたくなって「エンジンルーム内のパーツ交換はすべて自分で加工したうえに、足回りの交換やマフラーの交換も自分で」やったのです。日常的なメンテナンス、オイル交換などもすべて自分で行い「エンジンの中身以外はクルマ屋さんに出したことはない」ほどの知識も技術もお持ちなのです。

ここでパレットの現状を整理してみると。足回りではタイヤ・ホイールの交換、ショック交換、フロントブレーキはキャリパーもディスクも交換、リヤブレーキはキャリパーを塗装。車高調も入れました。続いてボンネットの中はエアクリーナー交換、オイルキャッチを追加、ヘッドカバーの磨きなどなど…。室内では天井にスピーカー(高音用のツイーターと中音用のスコーカー)、ウーハーは助手席の裏側に組み込み、アンプはリヤハッチの両側に設置してありますが、これでも「オーディオ系はまだ工事途中」なんだとか。

話を聞くだけでもすごいカスタマイズで、費用も気になりますが「アップガレージで結構買ってますね。これだけのパーツをまともに買うと、とんでもない金額になるので、基本アップガレージで中古パーツを買うのがスタイル。すべてが安いわけじゃないけど、ネットとも比べて、いろいろな店を回って、でも結局はほぼアップガレージで買ってるんじゃないかな。ネットは手にとって見れないし…。地元や袖ヶ浦にはアップガレージはなくて、市原にタイヤとホイールの店があって、パーツは千葉中央店か茂原店」をご利用とのこと。

取材の日は、「横浜に用事があって来たので、ちょっと寄ってみようと本店に来たんです」。初めての来店ということですが、「パーツの多さはさすが」とおっしゃっていただきました。クルマを買ってからの3年間で走行距離は約10万キロ!「週末にイベントでアチコチ出かけるから伸びますね。1日に2件とか重なると富津から柏、埼玉、茨城あたりまで走る」とのこと。イベントでは「特に塗装に驚かれて、すべて自分でやるし、缶スプレーだけで塗装したっていうと『えっ…!?缶スプレーだけ?』みたいな反応が来ます」。とはいうものの、最近は「コンプレッサーを買おうかと思っている(笑)」ところではあります。

クルマをいじる原動力の一つは「やはりクルマ好きの仲間がいることかな。オフ会があるでしょう、そうすると次に会うときまでに仕上げてビックリさせようとか思うと、集中していじっちゃう」。ですよね、やはり見てくれる人がいてこそですから。その時は、これからもアップガレージがお役に立ちます。

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エンジンルームの中も赤とところどころに使った青がアクセントに。

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リヤドアはHiroさん独自のイデアで描いたもの。この角度だとタイヤとホイールが主張してますね。

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ボンネットのグラインダータトゥーは、写真では再現しにくいのですが、お見事な細工です。

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インパネ周辺も独自の世界観で装飾。日本刀の柄が目を引きます。

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キャリパーはイデアルのEAL6、ローターも変えてあります。

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オーバーヘッドコンソールにはスコーカーとツイータ―、見えないがウーハーは助手席背中に。