ライダース カスタムバイク自慢

アップガレージが4輪だけじゃないことは知っているよね。アップガレージには「ライダース」というバイク乗りの強い味方となる専門店がある。そんな専門店に通うオーナー達も紹介しようというのがこのコーナーなのだ。

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ホンダ スーパーカブ50(2007年スペック・参考)

  • 全長×全幅×全高=1800×660×1010㎜
  • エンジン=空冷4ストローク単気筒SOHC
  • 排気量=49cc
  • 最高出力=3.4ps
  • 最大トルク=0.39kgf
  • 車両重量=79㎏

1958年(昭和33年)発売開始の、小型実用オートバイ。世界最多量産記録を持ち、なお更新中。今日のホンダの基礎を作った商品であり、公共交通機関が未整備だった昭和30年代に庶民の足として大活躍した。昭和の時代は出前を頼むとカブで配達に来たことを覚えている方も多いはず。

お店の駐車場に入ってきた瞬間から、ひと際目を引いたスーパーカブは大沢さんの苦心の作。かつて色々なバイクに乗ってきたが、「いまはこれ1台で足代わりに乗っている」とのこと。

カブにしたのは「モンキー、ゴリラ、ダックスはそれなりにポピュラーというか、皆さんがいろいろやっていて多いですからね。カブをベースにしたら面白いかと思った」ため。この形は、いろいろ試して作った結果ではなく「最初からこんな形にしたくて、ノートにデザイン画を描いて決めてから作り始めた」というので、このデザインありきだったわけです。

目指したのはマッドマックスに登場するようなマシンのイメージ。「ちょうど映画と同じような年代だから(笑)」というが、発想が並ではありません。あの映画の世界観を実現するために、細かなところまで工夫を盛り込んで作ってあります。ただし、後半部分にカブの面影が残るのは「ベースが全く分からないようにはしたくなかった」から。見る人がカブってわかってくれて初めて「カブをベースによくぞここまで、ってなるでしょう」。

ハンドルやフレームの装飾は、たとえば鎖を溶接して作ったり、ボディの塗装は銅が錆びた感じを表現。「この銅が緑青を吹いた感じを出すために、キッチン用のアルミテープを貼って腐食させて塗装」するなど手の込んだ仕事をしています。結果、「どこに行っても注目を集め、これ何?って聞かれる」のだとか。

一番の苦労はパーツ探しで、「イメージに合うパーツ、しかも安くあげたいからライダース店をしょっちゅう回って探してますよ」。この状態だとほぼすべてのパーツがライダース店で購入したもの。「フロントフォークはジャズ用だったかな、マフラーはKERKERを買ってノーマルに途中から継ぎ足した」もの。しかも後半部分には龍の模様が彫り込まれている。「龍はガラス細工用のリューターを使って自分で」彫ったとのことなんでもガラス細工もお好きだとか。

ここまで作るのに約2年。しかしまだ完成ではなく、これからも進化を続ける予定なのだ。引き続きライダース店巡りをお楽しみください。

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金属製で尖ったグリップエンドのハンドルと、バーの上に乗る髑髏。

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フレームの装飾は、鎖を溶接して錆びさせてイメージ通りに。

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KERKERのマフラーには自作のエッチング風加工で龍の模様。

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【左】ミッションは足踏み式からジョッキーシフトに変更。【右】ボディの塗装は、銅が錆びて緑青を吹いた状態に見えるよう加工。