雨の富士スピードウェイで開幕直前の公式テスト
新加入小出峻選手が土曜日のセッション2で3番手のタイム
3月25・26日の週末に富士スピードウェイで、今シーズン開幕前の最後の公式テストが行われました。週末は二日間ともあいにくの雨でしたが、新加入小出選手が土曜日の午後のセッション2で300クラス3番手のタイムを出すなど、開幕戦に期待の持てる結果が得られました。
TEAM UPGARAGEは今年もNSX GT3で参戦し、ドライバーは既報の通り小林崇志選手と、今年からSUPER GTにステップアップした小出峻選手。マシンにはアップデートはありませんが、今回の富士のテストでは新しいエンジンのシェイクダウンテストを兼ねることに。というのも、2週間前の岡山での公式テストでエンジンが故障して新エンジンに載せ替えたのです。たまたま故障がなくても載せ替えは予定されていたのですが、いずれにせよ開幕まで間もないこともあり、富士のテストでは大事を取って走らせた次第。
本来、ドライでテストをしたかったのですが、ウエットになっても「ヨコハマタイヤのウエットタイヤが、パターンが変わるなど新しいモデルになったので、理解を深めるテストにはなりました(上城チーフメカニック)」と収穫もありました。ちゃんとタイヤを使えればそれなりのパフォーマンスが発揮できると確認できたとのこと。
今回のテストにおいて、という但し書き付きですが、セットアップの確認などいろいろテストしていく中でも、小出選手はウエットで1‘45.079を出して3番手に入っています。この時上位のタイムは1’44.502と1‘44.740の2台。本番になればまた変わってくるでしょうが、十分勝負になりそうに思えます。一方小林選手は、コースコンディションの違う翌日のセッション4で、1’49.910を出してやはり3番手に入りました。
岡山での開幕戦は4月15・16日、例年、#18は岡山とは相性が良く、表彰台がかなり現実的な目標になっています。今年も、もちろん優勝を目指して走るので皆さんのご声援をお願いします。
不安要素というか読み切れない要素としては、今年からのレギュレーションの改定があります。
かなりドラスティックに変わるので、ここで概略をご紹介すると。
従来の6セットから5セットへと1セット削減。距離が300㎞を超えるレースでは、GTAがその都度定めるとされています。
タイヤの本数削減もそうですが、燃料の変更は「SUPER GT Green Project2030」の具体的な取り組み策として決められたもの。このプロジェクトは2030年までにGTシリーズ全体のCO2排出量半減を目指しており、そのためにカーボンニュートラル(CN)化を推進。手始めに燃料をCNF(バイオマス由来の非化石燃料)に変えることで第一歩を踏み出すことになった。
燃料は昨年から研究が進んでいたとはいえ、実際に各チームが使うのは岡山のテストが初めてだったため、まだマシンへの影響などは未知数のまま。各メーカーが力を入れている500クラスではそれなりに対策が進んでいるようだが、300クラスはチーム間の格差が大きく出るとの声も聞かれる。ただ、これらの施策は将来にわたってモータースポーツイベントを持続させるためのものなので、理解を深めてゆく必要があることは間違いありません。
これまでは予選や決勝の走路外走行は「ドライバーの遵守事項」として、「タイムの向上などのアドバンテージが認められた場合にタイムペナルティが課される場合がある」とされていた。これをアドバンテージの有無に関わらず当該周回のタイムは採用されないと明記された。
これら以外にも、FCYの運用規定がより厳格になったり、変更は多岐に及んでいる。
ラウンド | 日程 | 開催サーキット | 開催地 |
---|---|---|---|
Rd.1 | 4月15〜16日 | 岡山国際サーキット | 岡山県 |
Rd.2 | 5月3〜4日 | 富士スピードウェイ | 静岡県 |
Rd.3 | 6月3〜4日 | 鈴鹿サーキット | 三重県 |
Rd.4 | 8月5〜6日 | 富士スピードウェイ | 静岡県 |
Rd.5 | 8月26〜27日 | 鈴鹿サーキット | 三重県 |
Rd.6 | 9月16〜17日 | スポーツランドSUGO | 宮城県 |
Rd.7 | 10月14〜15日 | オートポリス | 大分県 |
Rd.8 | 11月4〜5日 | モビリティリゾートもてぎ | 栃木県 |