2015年からアップガレージはレーシングプロジェクトバンドウとタッグを組み「TEAM UP GARAGE with BANDOH」を結成、SUPER GTの300クラスに参戦することとなった。
マシンは、2015年から本格参戦が始まるGTAマザーシャシーとGTA-V8エンジンを用いた「TOYOTA 86 MC/V8」で車番は18。ドライバーは2013年のGT300クラスチャンピオンの中山友貴選手と元F1テストドライバーのマルコ アスマー(Marko Asmer)選手。
そして目指すは、もちろんチャンピオンの座だ!
「UP GARAGE BANDOH 86」と名付けられた新マシンの初走行は、3月の岡山国際サーキットでの公式練習だった。いわば“吊るし”の状態から、走り込みながら各部のセッティングを詰めてゆく作業が行われた。また、同時にアスマー選手がSUPER GTに参戦するためのテスト走行も兼ねていたため、本人の希望もあり多くの時間がアスマー選手に割かれることになった。中山選手は「マシンのセッティングに関しては、アスマー選手は僕と方向性が近いので、コンビは組みやすいと思う」と語っているが、もちろん同時並行でマシンセッティングも進められた。
この時のタイムを見るとセッション1(ウエット)では1’37.669が最速であり、同じ300クラスの最速タイム1’30.494と比べると7.175秒の遅れだが、2日目のセッション4(ドライ)には1’28.169までタイムを縮めトップとの差も0.765秒までこぎつけた。
公式テストの場で、すべてのチームが手の内を明かすとは限らない(らしい)が、結果だけ見るとある程度戦えるとの期待が持てる数字だった。
いろいろ手探りで進めながら迎えた開幕戦の岡山。直前にアスマー選手の欠場が決まり、急遽ベテラン井出有治選手が開幕戦のみ出場することに。
そして4日の予選を迎えた。うす曇りの中、ドライの路面で始まったQ1は中山選手がドライブし、Q2進出のボーダーライン13位で通過。Q2は井出選手がドライブしたが順位アップはならず、スターティンググリッドは13番目で確定。Q1のタイムは1’28.047でトップの1’27.052とは0.995秒の差。この1秒未満の中に13台のマシンがひしめいているのだ。
翌5日の決勝は朝から雨。しかしスタート直前には一時的に雨が上がったため、各チームはタイヤの選択に頭を悩ませたが、18号車は結局、インターミディエイトを選択した。スターティングドライバーは中山選手で、いよいよ決勝スタート。
SUPER GTおなじみのローリングスタートから1コーナーの突っ込み合戦を経て、18号車はクラス9番手に浮上して1周目を終わる。順調にいくかと思えたが、5周目に先行車を抜いた直後にスピンでコースアウト!マシンを痛めたうえ、順位を下げてしまった。
ここから懸命に挽回すべく走るがダメージのあるマシンでは思うようにいかず、やがて30周目のドライバー交代に。この時、一か八かの賭けにでた。やがて雨が上がるとの予報があり、それを信じてスリックタイヤに変えたのだ。が、雨はあがらず、井出選手の懸命のドライビングでも順位を維持することすら難しい状況になり、わずか9周後には再びインターミディエイトに戻す。この間に順位は下がり21・22位あたりで我慢の周回を重ねる。
その後、少し順位を上げ18号車はトップと6周差の19位で終了した。開幕戦優勝はTOYOTA PRIUS apr GT31号車で、ドライバーは嵯峨宏紀選手・中山雄一選手コンビ。5番手スタートからの快進撃だった。ちなみにGT500クラスは37号車Keeper TOM’S RC FのA・カルダレッリ選手・平川亮選手が優勝した。
こうしてハードルの高さを知らされた開幕戦だったが、しかし決して越えることは不可能ではない、とも感じられたレースが終わった。次戦富士では入賞目指して走るので、皆さんの熱い応援をお願いします。
スタート前の準備を見守る石田代表。レース後「やむを得ない状況もあったけど、今日の結果には満足できない。次に向けて事前準備をやりつくして臨みたい」とコメント。
メンテナンスを担当するRS中春の荻野監督。「結果が悪ければ我々の責任。富士に向けてきっちり直して、セッティングを詰めて挑む」と決意を語る。
坂東総監督は予選後のコメントで「常に表彰台を目指して戦わないと、上位に食い込むことすら難しいレベルの高いレース。Q1を突破したけど、目標はもっと高く」と語る。
Rd.1 | 4月4(土)・5(日) | 岡山国際サーキット(岡山) |
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Rd.2 | 5月2(土)・3(日) | 富士スピードウェイ(静岡) |
Rd.3 | 6月20(土)・21(日) | チャン・インターナショナル・サーキット(タイ) |
Rd.4 | 8月8(土)・9(日) | 富士スピードウェイ(静岡) |
Rd.5 | 8月29(土)・30(日) | 鈴鹿サーキット(三重) |
Rd.6 | 9月19(土)・20(日) | スポーツランドSUGO(宮城) |
Rd.7 | 10月31(土)・11月1(日) | オートポリス(大分) |
Rd.8 | 11月14(土)・15(日) | ツインリンクもてぎ(栃木) |
SUPER GTのレース開催と同時に2種類のレースが開催される。一つは今年から始まる入門フォーミュラのFIA-F4。主要パーツがワンメイクのレースカーで、若手ドライバー育成を最大目的に行われる。
もう一つは、今年で15年目を迎えるPorsche Carrera Cup Japan(=PCCJ)で2クラスに分かれてシリーズチャンピオンの座を争う。SUPER GTを見に行くと、1回に3つのレースを楽しめるのだ。