Z20型ソアラは、初代の人気を引き継いだ2代目モデルとして1986年に登場。折からのバブル景気もああり、当時はまだ少なかった豪華パーソナルカーとして大人気になり、発売から5年間で30万台以上を売り上げた。戸谷さんのソアラは1989年式とのことなので、パワーが240psにアップしたマイナーチェンジ後のモデルになる。レクサスがまだないトヨタの最上級クーペとして、最新技術を満載したイメージリーダーカーであった。
バブルの香りがするソアラでご登場いただいたのは戸谷(とや)さん。当時ハイソカー(この言葉もバブル時代の名残ですね)として一世を風靡し大人気車だった。しかしオーナーの戸谷さんは22歳の若さなので、バブルなんて歴史の中の一時代にしか感じないでしょう。
戸谷さんがこのソアラにしたのは「ドリフトのため。前に乗っていたロードスターは、いいクルマなんだけどパワー不足だったから」。買い替えようと思ってから、R34スカイラインや100系マークIIといったドリフトの定番車と比較。最終的にFRの6気筒でパワーのあるソアラが2台目の愛車に決定。購入して2年ちょいになるが「年式が古いわりにJZに負けないパワーがある」ところがお気に入り。さらに「このソアラは純正のマニュアルミッションなんです」というのは、ソアラではかなり希少車種です。ちなみにロードスターはNAに乗っていたのですが、「いろいろいじってはありましたが、5万円で買ったのが20万円で売れましたよ」。NAのロードスターは人気爆発中ですから、ラッキーでしたね。
買ってからはドリフトに向けて色々変えてきました。「ボンネット、シートを変えて、ホイールはBBSに。エンジン系ではラジエター、ロム交換、タワーバー追加、エアクリーナー交換にオイルクーラーを追加。足回りには車高調を入れて、スタビも交換。さらにはブレーキのキャリパーに80スープラ用を流用。もちろんマフラーも交換」してあります。これだけ変えるとパーツ代は車両価格の5倍!ほど。「アップガレージさんには助けられてますよ。古いクルマなので、いつでもパーツが都合良くあるわけじゃないんですが、でも電装品とかスピーカーとか、あとは内装関係のパーツはほとんど」お買い上げという。
また、「エビスとかで1日走るとタイヤが減っちゃって減っちゃって、アップガレージ店でドリケツ用のタイヤを何度も買いました」。ドリフトを始めたのは学生の頃というが、そのころは小遣いも乏しいので「タイヤショップでアルバイトをしていたので、廃タイヤをもらって」走っていたこともあったくらいドリフトが好き。
いまのところソアラには満足しているが、「もし買い替えるとしたら次は100系のクルマかな。あと新型のフェアレディZにも関心があるけど、どんなクルマなのか…」と、クルマ選びの基準はあくまでドリフト適性の様子。「エビスには、豪雨でコースわきが崩れてから行ってないんです。南コースは閉鎖されちゃうと聞いたので最後に南コースを走りたいんですが」というのが取材時の望み。叶うと良いですね。
クルマが好きでいじるのも好き。走るのも好きなので、ジムカーナもたまに走ったりするが、やはりドリフトが一番楽しいという。ドリフトアングルがぴったり決まった時は快感だそうだ。
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