ライダース カスタムバイク自慢

1月13日から15日まで幕張メッセで開催された「東京オートサロン2023」、その期間中にアップガレージのブースに展示されていたCB750Fのオーナーが今回ご登場の飯塚さんです。
この展示企画は毎年アップガレージのHPで公募し、応募車のなかからユニークかつ完成度の高いカスタマイズのされたバイクやクルマを紹介するコーナー。今年展示されたCB750Fには、果たしてどのようなストーリーがあるのか伺ってみました。

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リアルタイムで青春時代を送ったバイク好きには、ナナハンと言えばこのバイクが脳裏に浮かびます。

ホンダ CB750FC(1982年型)

  • 全長×全幅×全高=2180×795×1125㎜
  • エンジン=並列4気筒 空冷4ストロークDOHC4バルブ
  • 排気量=748.7㏄
  • 最高出力=70㎰
  • 最大トルク=6.0kgf・m
  • 変速機=5段リターン
  • 車両重量=231㎏(乾燥)
  • タイヤサイズ(前・後)=100/90-18・130/80-18

ご先祖は1969年にホンダが発売したCB750Fourで、これはたちまち人気車種になり「ナナハン」の言葉を広めた。
その後、他メーカーから競合が発売されたため、第二世代のよりパワフルなモデルを誕生させる必要が出た。それが1978年発売のCB750Kで、その日本仕様の最終年式がCB750FCになる。
輸出仕様は900㏄エンジンを積んだが、日本仕様は750㏄だった。しかしエンジン以外、車体や足回りの多くは900モデルと共通で、特に最終型の1982年モデルはCB1100Rの技術を取り入れたモデルと言われている。

デビュー時には「ナナハン」という言葉が大型バイクの代名詞になったほど人気を博したホンダCB750F、会場でも立ち止まり写真を撮る人の多かったこのバイクのオーナーは飯塚さん。もう40年以上も前に作られたバイクに引き付けられたのは何故?

「子供のころからバイクはカッコいいなと思っていましたし、バリバリ伝説という漫画があって、主人公が乗っていたバイクに憧れました。それがこのCB750Fなんです」と、この年代のバイク好きの王道を歩んできたのです。バイクとの付き合いは「16歳の時に免許を取って、レーサーレプリカのNSRに乗って峠を走り回っていた(笑)」ころから。もちろん漫画の影響でした。当時、「周りの友人の半数くらいはバイクに乗ってましたから。バイク通学もOKだったけど、朝、学校に行かないでそのまま遠乗りに(笑)」今では考えられませんが、古き良き時代ですね。

その後、学校が終わり就職し結婚されて、しばらくブランクの期間があったのですが、復活したのは今から10年ほど前のこと。「リターンライダーの友人から一緒にツーリングに行こうって誘いがあって、その時は昔カッコいいと思っていたカタナ」を買って、飯塚さんもリターンライダーとして復活。でも復活した時から、大型免許取得に向けてお小遣いをためながら、同時に雑誌などをチェックし続けナナハンを探していたのです。

このバイクを見つけたのはカタナで復活した2年後の2015年のこと。「偶然にオークションサイトで見つけて、写真から改造されていること、その改造がACサンクチュアリーによるものだと分かったんです。古いバイクなのでいい加減な改造の個体は避けたかったし。もうこれしかないかも!と思ってすぐに連絡」を取り、なんとオークションから取り下げるように頼んだという。早速オーナーに会いに行き「直接買いたい、オークション開始価格の100万円に20万円上乗せするからと交渉して売買成立」。こうして永年の憧れだったCB750Fを入手できました。

ただ、このときは「いきなり目の前に現れたので、お金のことなど全く考えていなくて、オーナーさんにはお金はこれから準備するから少しだけ待ってほしい」と交渉。一方で自宅に電話して「嫁に、すぐに銀行に言ってお金を作ってきてくれと頼みました。普段はそれほど賛成しないんだけど、この時だけは反対しなかった(笑)、電話の声がよほど切羽詰まっていたのかも(笑)」とまあ、多少のドタバタはあったものの、理解ある奥様の協力で無事に収まったのでした。

このバイクは、買った時点で今の半分くらいは改造されていたが「手元に来てから、まずハンドルをバーハンドルからセパハンに変えました。こっちのほうが好きなので。足回りも少しいじってます。タイヤは悩んでいて、今は18インチが付いてますが、現在の主流は17インチで、17インチのほうが性能も上がって製品数も多くて選べるんです。見た目は18インチのほうがカッコ良いと思ってるけど、性能が上がれば走りが良くなるし」で、考慮中。

さらにはリヤブレーキがノーマルなので、これも強化したいところという。そして、こんな時はアップガレージライダース店に。「古いバイクなので新品パーツはないから、ライダース店で探してます。先日はキーシリンダー、たまたま新品を見つけて買って、今取り付けてますよ」と、お役に立っている様子。

ところで飯塚さん、20代のころはクルマにもハマった時期があり「32のGT-Rに乗ってました。ライトチューンで380psくらいの仕様にして。でも結婚を機にワンボックスに」なり、子育てが一段落した2013年にバイクに戻ったのでした。

現在は「ツーリングには仲間内で月に1回くらい。あとはインスタ用の写真を取りにソロで行ってます。ほとんどこのバイクしかアップしていないけど、インスタは今、フォロワーが1万人を突破しました」と、CB750Fへの関心の高さをうかがわせます。「この間、娘がバイクの免許を取ったので、ゆくゆくは一緒にツーリングに行けたらいいなと思っている」のです。子供とツーリングって、世の中のバイク好き親父に共通の夢じゃないですか?ぜひ実現しますように!それにしても羨ましい限りです。

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バリバリ伝説の主人公巨摩郡が、大人の走りで峠を楽しむためのCB-Fがコンセプト。丁寧に仕上げています。

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ヘッドライトは一見普通に見えますが、中身はLEDを使った最新デバイスです。

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マフラーはSSPFactory製WAGIRIショート菅UPタイプ。

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ハンドルはオリジナルからセパハンに変えて好みのスタイルに。

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スイングアームはOVER TYPE2、リアショックはオーリンズ製のレジェンド・ツイン。