SUPER GT Report 1

*レポートの順を変えて優勝報告から始めます。

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初のシーズン2勝目となる表彰台。一番高い真ん中に立つのは格別です。

TEAM UPGARAGEの18号車が今季2度目の優勝!
16番手スタートから小林選手、小出選手とつなぎ後続の猛追を振り切ってトップでゴール!

2023年のSUPER GTもいよいよ後半戦に入りました。TEAM UPGARAGEは開幕戦の岡山で優勝して以降ノーポイントが続いているので、そろそろポイントを獲得したいところ。

レース展開を考えると少しでも前からスタートするため、予選に向け入念なセットアップを施しました。午前中の練習走行から調子がよく、酷暑を見据えて持ち込んだハードタイヤも十分な性能を発揮、予選に向け準備が整いました。

午後の予選Q1は小出峻選手が担当。18号車はAグループで走ります。A、B2グループの上位各8台がQ2に進めるのは変わりません。

Q1が始まりました。開始と同時に各車はコースへ。タイヤに熱を入れる作業から始まりますが、路面温度が高めなので比較的早く温まりそうです。3周目には早くもアタックをするマシンがでて1‘58.975を出して暫定1位に。このタイムを超えるべく各車がアタックしていきます。18号車も3周目に1’59.248を出して3位に食い込みます。残り時間がなく、これで決まりかと思われましたが、チェッカーが振られた直後に18号車を上回るタイムが出て4位に押し出されてしまいました。しかしトップとの開きは約0.27秒とわずかで、良いペースで走れていました。

Q2は予選を突破した16台で勝負。しかし、Q2スタート時にピットを出ようとした18号車は突如エンジンがストップ。アタック時間内に間に合わせるべく懸命に作業したが間に合わず、残念ながらQ2はノータイムになってしまいました。のちに原因究明をした結果、エンストの原因は電気系のトラブルだったと判明。明日の決勝に向けて対策を講じました。

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予選に向かう小林選手。気合十分でしたがトラブルで走れずに。

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こちらは予選Q1に向かう小出選手。Q2進出への期待を背負っていざ。

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予選Q1を走る小出選手。攻めた走りで左フロントのタイヤが浮いています。

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決勝レースでグリッドに着く前のウォームアップ走行の準備中。


2023年シーズンの第5戦、鈴鹿450㎞レースの決勝が8月27日に鈴鹿サーキットで行われ、TEAM UPGARAGEのNSX GT3を駆る小林崇志選手と小出峻選手のコンビが16番手から追い上げて優勝!です。今季は開幕戦の岡山で優勝して幸先の良いスタートを切ったものの、以降はトラブルに悩まされてノーポイントが続いていました。年間チャンピオンシップを考えると鈴鹿ではぜひともポイントが欲しかったところ、折り返しの第5戦で優勝という最高の結果を得ることができたのです。

今回のレースも450㎞と長丁場で、ピットインは2回の義務付け。一人のドライバーはレース距離の1/3未満ではいけないなどの規制があり、ピット戦略が勝敗を分けます。18号車は土曜日の予選でQ1は4位で通過したものの、Q2直前で電気系のトラブルで走れずに16番手スタートに。なかなか厳しい展開が予想されたレースでしたが、スタートドライバーの小林選手がまず踏ん張り、引き継いだ小出選手が思わぬチャンスをきっちり拾ってトップに。

小出選手は2回目のピットインでトップに立つと、それ以降はトップを維持。このピットインは、直前にコースアウトしたマシンがあったため必ずFCYなどの措置が取られると予測して、即座にチームが指示を出したもの。それが実現可能なポジションにいたことはラッキーでしたが、ためらわずに決断し実行できたのは事前準備のたまものといえます。

これ以降は、小出選手が2位のクルマの厳しい追い上げを受けながらも踏ん張って逃げ切り、見事に開幕戦以来の優勝を果たしました。シーズンに2勝を挙げるのはチーム始まって以来。ドライバーポイントは40ポイントになりトップに。年間チャンピオンも現実味を帯びて、残り3戦をしっかり戦いきって念願のチャンピオンを狙っていきます。

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決勝レース終盤に2位のクルマの激しい追い上げを受けたが、厳しい状態のタイヤで逃げ切った小出選手。

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優勝記者会見。満面の笑みで質問に答える小出選手(左)、小林選手(右)。

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シーズン2勝目に大満足石田総監督。

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作戦が実って逆転優勝でき喜ぶ上城チーフエンジニア。

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ピットウォークでファンのリクエストでポーズをとるHONEYS、前田星奈ちゃん(左)、阿比留あんなちゃん(右)。

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恒例の優勝チーム記念撮影。


予選は、クルマの調子は良かったけどQ2を走れなくてすごく落ち込んだ。でも決勝はチームがしっかりリカバリーしてくれて、ピットインもいいタイミングで入れた。僕のスティントは16番手スタートで、昨日テストしていないニュータイヤだったけど、ペースが良いのは分かっていたからしっかりやっていこうと。ただ予定した周回数より早くタイヤに異常を感じてピットインせざるを得なかった。が、結果的には小出選手も頑張ってくれて優勝できた。ほっとしているというのが今の偽らざる気持ち。

今日はラッキーもあり勝ったけど、トラブルは完全に解消したわけではないので、これからもしっかり戦っていきたい。まだまだやることは多いと感じている。最後にもてぎが終わったときにチャンピオンを取れるように頑張りたい。

本当に、一言で言うとしんどかった。後方からのスタートだったけど、根拠はないなか開幕戦のようなレースができるんじゃないかと内心思っていた。小林さんがしっかり走って順位を上げてバトンを渡してくれた。 ピットインは56号車が止まったのが見えたので、今だと。

チームがピット作業でいい仕事をしてくれて順位を上げることができた。最後は松浦さんとの戦いだったけど、自分との戦いでもあった。最後までタイヤを持たせてゴールする仕事を完遂できてうれしい。正直、小林さんと同じでほっとしてます。

まずは今回の優勝を喜びたい。これでランキングトップに並んだが、次回からウエイトが100㎏乗るので厳しい戦いが始まると思う。でも重さとか数字をあれこれ思うんじゃなくて、自分のできることチームのできることを最大限やり、一戦一戦をしっかり戦っていけば結果はついてくると思う。今まで通り、やることは変わらないと思うので、最後にもてぎが終わったときに笑えるように頑張りたいと思います。

16番手からのスタートだったので、いろいろ作戦を考えてはいたけど、割とオーソドックスな作戦で行った。最初のスティントはタイヤがきつかったけど小林選手が我慢して規定の21周まで走ってくれた。あれで次の流れが良くなった。小出選手もダブルスティントを走ってくれた。一番のポイントは56号車のトラブルの時に小出選手が冷静に判断してピットインしたこと。事前の打ち合わせはしてシナリオはあったけど、現実の場面で冷静な判断ができたのは凄かった。また終盤のタイヤが厳しい中で、追い上げられながらも最後まで守り切ったことも大きかった。

ラッキーもあったけど、チームでいろいろなケースを想定して準備をしてあったし、ドライバー二人の頑張りが運を引き寄せたのだと思う。ラッキーがあってもそれをキャッチできる準備がないと結果につながらないからね。とは言え、この二日間も反省材料がいっぱいあるから、きちんと我々の中で解消して次の菅生に臨みたい。

今日の総括をすると、いろいろタイミングが良かったなと。レースペースは良かったので、予選順位では沈んでしまったけど、しっかり戦えれば上のほうまで行けるだろうと思っていた。ただ、予定していた周回の1周前に小林選手からタイヤの異常の連絡があったが、あと1周行けばドライバー交代の規定を満たすので頑張ってもらった。2回目のピットインは、56号車のアクシデントを見て、これは絶対何か出るなと思い、指示を出した。その時にちょうど良い位置にいたし。

結局、最後のスティントも残り7周くらいで小出選手からはタイヤの異常について連絡があったけど、ただあのタイミングでは行くしかないので行ってもらった。初めのスティントのタイヤの状況から見ても相当に厳しい状態だったと思うけど、踏ん張ってもらえてよかった。

次から100㎏のウエイト。でも去年の菅生は78㎏を積んで走ったけど、割とパフォーマンスは高い状態で行けたので、セットアップを煮詰め直して上位争いをしたいと思う。