今年も幕張メッセで東京オートサロン2024が開催されました。
1月12日から3日間の会期中に、アップガレージのブースに展示されバイク好きの注目を集めていたカワサキのZX10R。使われているパーツ1点1点がオリジナルという、このバイクのオーナー河森さんにカスタマイズの狙いなど伺いました。
2004年に新発売された大型自動二輪。スーパーバイク選手権のレギュレーション改定で最大排気量が1000㏄に引き上げられたことを受けてデビュー。2015年に2度目のモデルチェンジを受け、2017年にはマイナーチェンジがあり、初めて正規代理店から200㎰仕様が販売されるようになった。
バイク乗りの父親の影響もあり17歳でバイクに乗り始めた河森さん。大型バイクが好きでずっとカワサキに乗っているそうです。展示したカワサキのZX10Rを購入したのは2018年。新車で購入して以来ずっと乗っていますが、「新車で買ったときはいじろうなんて思わなかったんです。普通はそうですよね」とおっしゃる。それが変わったのは「買って半年後くらいに、たまたまホモロゲーションモデルのホイールを安く譲ってもらったんです。今付いてるマルケジーニなんですが、それを知り合いが安く塗装してくれるというのでお願いしたら、何かカッコいいかもって(笑)。そこから火が付いちゃって」カスタムの沼に入り込んだようです。
カスタマイズするについては「オリジナルを追求するのが基本。ワンオフのパーツが多く付いてますが知り合いが削ってくれたりとか、自作で用意してます。例えば足回りではサスペンションキット以外はほぼワンオフに近いです。レース用のマシンみたいに、シャフトを引き抜いたらタイヤ交換できるようになってますから。この手の加工費を全て金額換算したら500万円じゃきかないかも。その辺は、かなり恵まれた環境ですね」と、周囲の協力が欠かせないとのこと。
こんなエピソードもありますと話してくれたのは「リヤサスのリンクでL字のパーツがあるんですけど、そのパーツは機械加工をやってる先輩と後輩を缶コーヒーで買収して作ってもらった(笑)。コストパフォーマンスが高いでしょう(笑)」。
これだけオリジナルパーツが作れるから「出来合いを買って取り付けて終わり、というよりも楽しいです。やってるときは苦痛だったりするんですけどね。いつできるかなとか、できたパーツが本当に大丈夫なのかとか。パーツを取り付けたバイクは自分が乗るので心配もあるし。でも取り付けて普通に走れた時は嬉しいですね」、この辺が作る楽しみを味わう瞬間なのですね。
勤務先の設備を借りて「自分でも加工しますが、加工するのは仕事が終わってみんなが帰ってからです。タイムカードを押して、その後に加工を始めます。バイクは持っていけないのでパーツだけ持ち込んで作業です。合わせるためにバイクを持ちこむこともあるけど、日曜日とか業務のない日」と気を使いながらもしっかり使えるものは使ってますね。
こうして作ったパーツを組んで走るのは「初めての時は怖いですよ。確実に組んでいる自信はあるけど、それでも転倒するのは怖い。サスペンションを組み替えたことで前後のバランスが変わるし、どう作用するのか、セッティングをどうしようとか考えながら走ります。シェイクダウンの時はいつもドキドキです。楽しみもあるけど不安もあるから、いつも新鮮な感覚で走ります。怖いけど楽しい、やめられないかも(笑)」とは、完璧にはまってますね。
特殊なパーツはワンオフで作ってますが、既製品で間に合うものはライダース店で買って済ませるのだとか。「レバーとか、工具とかは買いに行きます。僕は名古屋の中川店によく行きます。車検場の隣なので何かと便利(笑)。ただ欲しいものがあるかどうかは、中古なので運しだい」ですよね、なのでできたら通ってください。
現在はこのカワサキのほかにヤマハのFZS1000を所有、これは2台目のFZSとのことで、1台目は全損したのだという。実家住まいの時は母親に「また買ったの?」と言われ続けたと言うが、いまは一軒家で一人暮らしなので好きにできる環境が嬉しい。
父親の影響でバイクに興味を持った河森さんは、1回だけ一緒に走ったことがあるという。その時は父親は1400のバイクで原付の河森さんに合わせて走ってくれたんだとか。手に持つのは愛車展示企画の最優秀賞の記念の盾。多くの応募者から選ばれた証です。