1月14日から16日まで幕張メッセで開催された「東京オートサロン2022」、その期間中にアップガレージのブースに展示されていたバイクが、今回ご登場の”さっぴ”さんのバイクです。
この展示車両は毎年アップガレージのHPで公募し、応募車のなかからユニークかつ完成度の高いカスタマイズのされたバイクやクルマを展示しています。今年展示されたSR400には、果たしてどのようなストーリーがあるのか伺ってみました。
ヤマハ SR400(2018年~2021年)
SR400のデビューは1978年。空白だった大排気量のオンロード単気筒モデルとして人気に。以来43年間、基本的なデザインを大きく変えることなく熟成を重ねてきたロングセラーモデル。途中2008年、2017年に排気ガス規制への適合などで生産中止になるが、その都度対策して再発売に。だが2021年に国内向けモデルの生産終了がアナウンスされた。
さっぴさんがバイクに乗り始めたのは2年前のこと。免許を取得してすぐにこのSR400を買ったのです。「SR400にしたのは、単純に見た目がすごく気に入ったから。はじめはSSとか250くらいのバイクを探したんですが、ひと目これをみたらどうしても欲しくなって」ネットで探して見つかったのが「走行距離300㎞くらいの新古車のこのバイクで、早速見に行って決めました」と、行動力に富んでいます。
そもそもバイクに乗るようになったのは「父がバイクの販売店を経営、母がバイク雑誌の広告の仕事をしていたんです。小さいころからバイクに囲まれて育ってきたので、バイクがあって当たり前で。それで乗りたいと思ったときに乗り始めたって感じかな」うらやましい環境で育ってますね。しかも「子供のころは富士山にミニバイクを持って行って、知り合いのバイク屋さんと一緒に走り回って、雪の上を走ったり」らしいので、もうバイクの英才教育ですね。ちなみにお兄さんがいるが「バイクじゃなくてゲームに夢中」とのこと。
このバイクはSR400の5型で、さっぴさんが憧れたデザインは昔のモデルという。そこでタンク、シート、ハンドルなどなど「マフラー以外はほとんどすべてを変えてちょっと昔のSR、しかもカフェレーサーにもハマっていたので、純正のカフェレーサーを作りたかった」のだそうです。純正という通り、交換したパーツは基本的に純正品です。例えばタンクは4型とか。ただシートだけはカフェレーサーらしさを出すため社外品で、「5型のSRのシートの下には電装品類が配置されていて、そのままでは社外のシートはつかないんです。なのでバッテリーを移動して、ETCの本体はツールスペースに取り付けて」と、見えないところで結構な改造を施してあります。その甲斐あって「タンクは4型でダブルラインのものを付けました。このタンクとこのサイドカバーの組み合わせで発売されたモデルに憧れたんですが、狙った通りにクラシックな雰囲気のSRにできた」と、大満足の様子。かつては通勤にも使っていたそうですが、今は通勤の足はスーパーカブに。SR400は楽しみのためだけに、乗りたいと思ったときに乗るバイク×バイク生活を送っています。
SRが本当に大好きで、全国のSRオーナーを取材する「ハチロック モーターサイクルTV」のスタッフとして活動中。また世田谷で「ユナイテッドカフェ」もやってます。